法人の設立と税金について、個人事業主と法人の違いを解説
個人事業の時には、自分で記帳をし税金申告をしていた方でも
法人税の申告になると、税理士などの専門家に依頼しないと
素人ではちょっと難しいものとなるでしょう。
当然その分税理士や会計事務所には支払う費用が発生しますし、
顧問料や決算料なども見込んでおく必要があります。
それから個人と法人の財産は当然ながら別物にしなくてはいけません。
逆に事業が失敗しても法人の負債を個人一人の財産で
弁済する必要はないメリットをご説明しましたが、逆に
いえば法人で儲けたお金は個人で使うこともできない、ということです。
会社とすれば個人は会社から給料、または配当金という形で
報酬を獲得することになります。
それではこんな、法人の手続きはなぜ必要なのでしょうか?
法人は登記することでさまざまな法律上の規制を受ける「法人格」に
なるわけです。個人事業は事業開始や廃止にはその届け出が簡易で、
税務署に必要書類を1枚提出するだけになりますが、法人格になった会社の場合は
そんなわけにはいかないのです。
会社は「会社法」によって規制され、その定めに従って手続きを踏まなければ
なりません。
法人の内容を変更した場合は、都度法務局に登記し決算時には
株主総会によってそれぞれの株主に承認を得る必要があります。
これは株主が1名でも100名でも変わりがなく、
株主一人、取締役一人だからといって、適当にすませるというわけには
行きません。後々税務調査にひっかかったりすることになっては
もとのモクアミになってしまいますし、法人の信用問題にもかかわります。
逆を言えばこのようなきちんとした法を通じた会社法の面倒な
手続きをしなければならない会社こそ、社会的信用を会社は得ることが
できるのだということにもなります。
法人が法務局に登記すべき事項の主なものは次の通りです。
○会社の商号
○本店所在地
○資本金額
○発行可能株式総数
○取締役の氏名
○発行株式の総数
○会社の目的
○株券を発行する定め
○公告をする方法
また法人の設計により登記しなければならないものは、
○代表取締役の住所
○監査役の使命
○株式の譲渡制限に関する規定
○発行済み株式の種類と数
○取締役設置会社に関する事項
○支店所在地
○監査役設置会社に関する事項
このように法人を設立するということは、個人事業では
必要がなかった様々な手続きをせねばならず、
コストとしては個人事業と比べて維持費も発生することになります。
会社設立で法人化した場合、役員個人として税金が安くなるだけではありません
納める税金はいくらくらい違ってくると思いますか?
個人事業主の場合は、事業所得となる利益の800万円から基礎控除だけを引いた金額にかかる所得税と住民税の合計は188万5100円になります。
基礎控除は所得控除のひとつで、所得税38万円、住民税33万円が、納税するすべての者に無条件で差し引かれる控除のことです。
一方、同じ800万円の個人の収入でも、法人の役員報酬として受け取った場合には、いくらの税金がかかるのでしょうか?
役員報酬800万円から給与所得控除200万円を差し引いた600万円から、同じく基礎控除を差し引いた金額で所得税と住民税を算出すると、合計は126万5000円となります。
したがって、個人事業主の場合には約188万だった税金が、法人化することで約126万円となり、62万円近く節税したことになるのです。
もちろん、法人化した場合、役員個人として税金が安くなるだけではありません。法人の場合、個人事業主に比べて税率が低く抑えられています。
利益が800万円の場合、法人が18%なのに比べ、個人事業主は23%となります。ただし、利益が少ないうちは、この税率の差もそれほど大きくないものの、利益が上がるに従い、個人事業主の税率はどんどん上がっていき、利益が1800万円を超えると、なんと50%が税金として持っていかれてしまうわけです。
さらに、交際費や出張日当、生命保険料などの面でも節税効果が期待できます。
「出張日当」は、交通費や宿泊費以外に、出張にともなう移動や慣れない環境に対する精神的・肉体的な疲労などに対して支払われるものですが、法人化することで、従業員だけでなく事業主本人にも支給することができます。
また、事業主である社長に万が一のことがあった場合に備えて入る生命保険も、法人化ならば保険料全額が必要経費になります。もちろん、受取人は会社になりますが、個人事業主では、必要経費として控除対象となるのは年間5万円のみですので、大きな差となります。
さらに、個人事業では原則として必要経費にみなされなかった交際費も、法人なら全額を経費として計上することができます。
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